KINGDOM-キングダム【5巻】のあらすじや掲載話、登場人物のまとめと『すでにもう見た事がある方』も『これから見たい』という方にも、キングダムの魅力とキングダムを何倍も楽しむ方法を見どころとネタバレも含めてご紹介します。
なお、キングダムは現在アニメ化されていたり映画化もされており大人気となっていますのでこちらの情報も合わせてご紹介
キングダムのアニメ&映画情報
現在、放送されているキングダムのアニメや映画の情報です。
アニメ「キングダム」
第3シリーズ:2020年4月5日24:15からNHK総合で放送開始
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声の出演:
映画「キングダム」
2019年4月19日公開
出演:
前巻までのあらすじ
王宮の本殿でランカイと戦う別働隊の信たちはランカイの強さに苦戦していた。
バジオウの双刀でも斬ることができずバジオウは自身に眠る獣の力を呼び覚ましてランカイを圧倒する。
バジオウ・タジフ・シュンメンらがランカイの動きを封じ、ついに信がランカイの胸を突き刺した。
KINGDOM-キングダム【5巻】の収録話(ネタバレ注意)
第42話 夢幻
信に胸を貫かれたランカイが腕を振り払い信をふっ飛ばす。足にきているが睨み付けて威圧する信。
「戦意のねぇ奴は寝てろ!!」
ついにランカイはその場に突っ伏して倒れ込んでしまう。
王弟・成蟜が声をかける。
「どうしたランカイ。立てっ!!お仕置きだぞっ!!」戦意を失ったランカイは立ち上がれない。
信が剣を拾い上げて成蟜に告げる。
「おどしじゃ檄(ゲキ)にはならねぇよ。そいつはもう立たねぇ。今度こそ終わりだ!」
その始終を見ていた大臣達が、我先に逃げ出そうと扉に群がる。
成蟜が逃げ出そうとする大臣らに叫ぶ。「貴様ら逃げるな!戦わんか!!全員死罪に処すぞ!」
バジオウ・信らが玉座に立つ成蟜に詰め寄る。
「きっ 貴様らまさかこの俺をっ 下民の分際で王族であるこの俺をっ・・・斬ろうとでも言うのか!」
扉が開かずに大臣達は扉の前で混乱している。
成蟜は逃げ場を失い玉座の檀上で叫ぶ。
「ふざけるな!バカか貴様は!」、「玉座にある王をっ そんなことっ あり得ぬわァ!」
信が成蟜に告げる。「あるんだよ。戦争だからな。しかもお前が始めたんだ!」
戦意を失った成蟜は呆然と力なく、その場に立ち尽くしている。
竭氏は事の始まりを思い出していた。
なぜこうなったのか、嬴政・昌分君・王騎・楊端和に山の民・下民のガキ。どれか一つでも欠けていればこうはならなかった。
奴らもまた綱渡りでここまでやってきたということか。これまで成蟜にひざまずき費やしてきた労が・・・
中級大臣から始まりあらゆる手を尽くして丞相に登り詰めた労が!国の半分を手にした権が!
呂氏を殺し秦国を独占する夢が!!全てが消える。全てが・・・・・・
「ふざけるな!!」
竭氏が突然駆け出し、扉の前に群がる大臣らの中に飛び込んだ!
山の民・シュンメンが竭氏を追う。
大臣達が山の民にパニックになる。
大臣ら・竭氏が重い扉を力ずくでこじ開けたと思った瞬間。
先頭にいた大臣3人の首が宙を舞った。
扉の外にいた王騎将軍の副官・謄が一刀の元、大臣らの首をはねたのだ。
「ここを通すわけには参りませぬ。我が殿の命により扉に近づくものは斬り捨てさせていただきます。」
大臣達は王騎将軍の副官・謄がいない反対側の扉に移動する。
大臣に紛れて竭氏も巨体を走らせ、逃げようと必至だ。
柱の陰に隠れていた河了貂が竭氏に狙いを定めて吹き矢を放った!
河了貂の吹き矢を瞼(まぶた)に受けて勢いあまり扉に激突した竭氏。
竭氏が叫ぶ!「ふざけるな・・・俺は大秦国竭丞相ぞぉ!!」
竭氏が叫んだと同時に二人の山の民が左右から、竭氏の肩から脇腹に掛けて斜めに斬りつけた。
第43話 怪鳥飛来
二人の山の民に斬りつけられた竭氏が倒れて首が胴から切り離される。
壁は目を見開いてその光景を凝視し、勝利を確信した。
「やったついにやったぞ。あの呂氏ですら暗殺できなかった竭氏を討った----」
「我々の勝利だ!!!」
怯える大臣らの一人が小便をもらしながら出口を凝視する。
扉の前に立つ河了貂の腹にナイフを突き刺した。
刺された河了貂が倒れ込む。
信が一瞬、目を離した瞬間、成蟜が玉座から駆け出し正面の扉から外へ出て行った。
バジオウ・山の民らは成蟜を目で追っているが、急いで追うことはしない。
首だけになった竭氏を剣に突き刺してゆうゆうと中央広場へ向かう。
信もすぐに逃げた成蟜の後を追わずに倒れた河了貂の容体を診る。
「脈はある。驚いて気ぃ失っただけだ」 河了貂を壁に託して信は成蟜の後を追った。
中央広場へ逃げた成蟜
そこで繰り広げられている戦争を目の当たりにして顔色が青ざめる!
成蟜に気づいた肆氏が声をかける。
「成蟜様!?なぜこんなところにお1人でっ・・・」
成蟜が叫んだ
「右龍から入ってきた山猿どもに殺されたのだ!!」
左慈(さじ)の死、竭丞相の死を知った肆氏は反乱軍の負けを認識した。
その時城上から王騎将軍が中央広場に飛び降りてきた!
広場で斬りあいをしていた者たちも一斉に頭上から降ってきた王騎将軍に注目する。
第44話 昭王
王騎将軍に続いて、王騎兵たちが城上から縄梯子を使いぞくぞくと中央広場に集結する。
肆氏は王騎の現れた意図を模索している。
魏興(ぎこう)が王騎の前に立ちはだかり問いただす。
「なぜ偽りの昌分君の首を差し出した!?納得のいく答えがなければ死んでもらう!!」
馬上の魏興と地上の王騎。肆氏は馬上の魏興に分があると踏んで、魏興の勝利を確認する。
しかし、王騎が矛を振った瞬間。
魏興の上半身が ドンっ!という音と共に切り裂かれ宙に舞った。
肆氏は改めて王騎の武力を思い知る。
王騎はそれまで乱戦となっていた兵士たちの中を悠然と歩いていくが、王騎の行く手を遮るものはいない。
秦王・政の直前まで来たとき、昌分君と楊端和が王騎の前に立ちはだかった!
王宮内では、大臣の一人に刺されて血を流し倒れている河了貂の傍らに壁が涙を流している。
「生きているはずがない!刺されたのは急所だった。」
しかし、河了貂はわずかに声を発したのだ。「うっ・・・」
河了貂は蓑(みの)の中に鎖帷子(くさりかたびら)を着こんでいたため致命傷を逃れていた。
鎖帷子を脱がせて止血しようとした時、壁は異変に気づいた。
秦王・政の前に立つ王騎は政に疑問を投げかける。
「貴方はどのような王を目指しておられます?じっくり考えてお答えください。」
「この宝刀は不遜な言葉を許しませんよ。相手が誰でありましょうとね。」
政は間髪入れず即答した。
「中華の唯一王だ」
王騎は政の言葉に続けた。
「この500年の大乱 そんな無謀な言葉を口にした王は一人しか知りません。かつて”戦神”とまで畏れられた・・・」
政は王騎に怯むことなく、王騎の言葉を遮る。
「昭王の名は二度と口にするな!それがお前のためだ。」
戦神 昭王 -
在位55年間のうちそのほとんどを戦に投じた我が曾祖父
彼を王と慕っているのはお前だけじゃなく、秦国中の武人が自ら命を差し出すほどに忠を尽くした
政は続けて言う。
「しかし、昭王が死んでもう7年。王騎お前は最愛の主を失い着地する場所を求めてもがき苦しんでいる虚しい鳥だ!」 「もし俺と共に戦いたいと願うのなら、昭王の死を受け入れ一度地に足をつけよ!」「中華に羽ばたくのはそれからだ”秦の怪鳥”よ!」
第45話 対峙
「もし俺と共に戦いたいと願うのなら、昭王の死を受け入れ一度地に足をつけよ!」
「中華に羽ばたくのはそれからだ”秦の怪鳥”よ!」
秦の若王・政の言い放った言葉に、王騎はかつての主・昭王と夢を語った日を思い出していた。
昭王はかつて、中華統一を目指して戦に明け暮れたが及ばずやはり中華は広かった。
昭王曰く
「口惜しい・・・あと20年生きれれば・・。夢を掴めたやもしれぬ」
「王騎よ飛ぶのはやめても牙は磨いておれ。今はいないくともこの先、ワシのような王が再び現れるやも知れぬ。そのときは、今以上に大きく羽ばたくのだ」
王騎は思考する
昭王亡き後、数多くの王が私を召し抱えようと声をかけてきましたが、”中華だ”、”天下”だと軽々しく語る王ばかりで本物は一人もいませんでした。
しかし、この若王の口から放たれる”中華”という言葉は異様なほどに重い!そしてその眼は一点の曇りもなく内に強く光っている。
悪くない。昭王とはまた違いますが悪くないですよ。
昭王の目は”中華”に恋焦がれる夢追い人の目でした。
しかし、この王にはそんな甘き輝きは微塵もない。この目はしっかりと”中華への路”をとらえている。
「これが第31代 秦王 嬴政か!」
しばしの沈黙の後、王騎が不遜に笑う。
「ンフ。ンフフフフフフッフフフ」
「昌分君。あなたが一人でバカ熱くなっている理由が少しだけ解りましたよォ」
「今日のところはこれで引き上げるとしましょう」
王騎は続けて言う。
「私があなたと共に戦いたいと願うなど自意識過剰ですねぇ。弟ごときに手を焼いている場合じゃありませんよォ。ンッフフフッでは!全軍撤収です。」
王騎の声に配下の軍たちは引き上げていく。
呆気にとられ辺りはシンと静まり返っている。
成蟜が突然その場を逃げるように駆け出した。
「ひぃぃっ!!」
信と山の民・バジオウ、シュンメンらが竭氏の首を剣に刺して歩いてきたのだ。
信は戦が止んだ中央広場の中に政の姿を見つけた。
成蟜が逃げ出した先は中央広場の兵士たちの真っただ中。
その先には兄である秦王・政がいた。
第46話 兄弟
中央広場の兵士たちの真っただ中に逃げ込んだ成蟜が声を張り上げる。
「嬴政ー!!こやつが嬴政だ!殺せっ!」しかし、突然現れた成蟜に面くらい成蟜側の兵士たちも動こうとしない。
そこに竭氏の首を剣に刺した信と山の民・バジオウ、シュンメンらがゆっくりと近づいてくる。
成蟜側の兵士たちは竭丞相の首を見つけて息をのむ。
敗北を悟ったのだ。
成蟜が兄・嬴政を威嚇するが嬴政は全く動じず成蟜のすぐ目の前まで歩を進めて言った。
「成蟜 お前は生まれの良さが人の価値の全てと勘違いしたただのバカガキだ」
「お前のような愚か者には決して王などつとまらぬ」
成蟜が反論し、剣を振り下ろすも兄・嬴政は成蟜の剣を受けて続ける。
「曲がった教育を受けたな成蟜。お前が言っていることは机上の戯言」
「天(たか)みでそり返っているだけで民の心を知らぬ。お前にできるのは周りを見下すことだけだ!」
「世を知らぬ 人を知らぬ。だからお前はいつも唯一人だ!」
そして、真顔で言う。
「お前では王はつとまらぬ」
政の言葉に成蟜が刀を振りかざして叫んだ!
「秦国王は俺だァ!!」
政が刀を振り上げた成蟜の手首を斬り付けると、成蟜の手首から血が噴き出る。
泣きながら転げまわり「腕がっ!血がっ!」とわめく成蟜を尻目に政が告げる。「分かっているのはお前は」
成蟜が泣きながら政に反論するが政は弟・成蟜をこぶしで殴りつけた。
ドガッ! 成蟜は兄・政の強烈なパンチに言葉を失う。
政が成蟜を続けて何度も殴りつける。
兄に殴られて動かなくなった成蟜。
秦王・政は声高らかに勝利を宣言した。
「全員の命を保障してやる故、直ちに投降せよ!必要最低限の犠牲をもって、反乱の決着とする!!」
政の言葉に信も後を続ける。
「聞こえなかったのか!とっとと武器捨てて降伏しやがれ!この戦ァ 俺達の勝利だァ!!!」
信の声に兵達が声を上げて叫んだ!
第47話 最初の城
信は王宮の壁、河了貂の元に戻った。
壁は、河了貂の傷は心配ない。戦況はどうなったのか。秦王・政は無事なのかを信に問う。
信は反乱が集結したことを告げ、全員無事であることを加えた。
その時、壁は王宮の中にいる秦王・政の姿を見つけ「はっ」と息を呑んだ。
壁が政に対して、無事を祝う
政は王宮のありさまを見て戦いの壮絶さを信に問い。玉座に腰を下ろして「ふーっ」と大きく息をついた。
その頃、昌分君配下の兵たちは「反乱軍の命を保障する」という大王・政の言葉に異議を訴えていたが、昌分君曰く 「大王の本当の敵は呂丞相だ。呂氏派の反対勢力である竭氏の残党はでき得る限り大きく残す必要がある。一番つらいのは大王様本人であるぞ」と言うのだ。
その夜、王宮内では戦に駆り出された兵達が城を上げて宴に酔いしれていた。
壁は河了貂を人影のないところへ連れて話す。
「山の民は明朝山界へ帰るそうだ。山の王と言えども山界全てを掌握しているわけではないらしい。お前も一緒に山へ帰れ。」壁が続けて言う。「男のフリをして一人で生きていくなんてもうやめるんだ。」
信、山の民・バジオウらが河了貂と壁を近くの城壁から見つけた。
バジオウ曰く、「カツテ山界ノ覇ヲ争ッテ”梟鳴(きゅうめい)”トイウ大勢力ト戦ッタコトガアル。」
「アノ子は梟鳴ノ生キ残リダ」と言うのである。
続けて、楊端和は河了貂を引き取るつもりだと言う。
信と山の民達のいる城壁の上に秦王・政が現れた。
信には昌分君が約束通り家を用意してくれるため、明日の朝には咸陽を出ると言う。
政は信の功績を考え、王宮の衛兵にすることもできると言うが、信はこの話を断り続けた。「おれは戦場に出る!一こ一こ積み上げて将軍になる!」
信の言葉に政はこう返した。
「加冠(かかん)すれば必ず呂氏から権力をはぎ取る!そして中華にでる。その刻までには必ず登って来い。」
魏国に駐屯していた呂氏は反乱軍鎮圧の伝えを聞き、舌打ちして帰路についた。
山の民も山界へと戻ったが、政と楊端和の間で定期的に情報交換を行うことになっている。
そして、信と河了貂の二人は昌分君の用意してくれた家(ほったて小屋)の前でたたずんでいた。
ひどくボロい家屋を前に楊端和は不満を露わにするが、信はボロだが自分の家屋を前にして笑みをこぼした。
何も持たない奴隷の身分であった信は正に”最初の城”を手に入れたのである。
第48話 募集
500年の騒乱 春秋戦国時代
あまりに過酷で長く厳しいその世界にはもはや"龍"がいたのかもしれない"時代"という"龍"が
信は戦場へと向かう歩兵の群集の中にいた。
遡る事10日前 -
秦王都咸陽より東に離れた啓村(けいむら)穀物倉庫で信は肉体労働に汗を流していた。
家では河了貂が飯の支度をしていた。
信と河了貂は秦王・政の王弟からの玉座奪還成功以来、同じ家で寝食を共にしていた。
信は3か月前の王弟反乱の際に傷ついた体を癒していたのだ。
信がいつもの帰り道、立て札を眺めている河了貂がいた。
河了貂曰く、立て札には「近く魏国攻めの為の徴兵がある」と書いてあると言う。
信は魏国攻めの歩兵募集の立て札を見つけ、歩兵として参軍を決意した。
第49話 伍
歩兵団の中に、同じ村出身の尾兄弟の姿を見つけ談笑する。
まさかこんなところで会うとは思わなかった同郷の3人は話がはずんだ。
尾兄弟の話では村で信の亡き親友である漂の葬儀があったということだ。
漂は村のみんなに好かれていたので葬儀に参加した者はみな涙を流していたらしい。ただ、信は漂の墓参りに行くのは天下の大将軍になる夢がかなってからだと言っていた。
大将軍になんかなれる訳ねぇだろ!と尾兄弟は怒鳴っていたが3か月の間で信が少しだけ成長した微妙な違いを肌で感じ取っていた。
「秦」と「魏」の国境の地、「滎陽(けいよう)」をめぐる争いは激化していた
黄河沿いにある滎陽は「魏」の玄関口であり両国にとって最重要拠点の一つである。
秦国王都 咸陽
秦の王宮では、秦王・政と昌分君が今回の戦の相手国である魏国の手強さについて、また今回の戦に信が参軍していることについてを密かに話していた。
信にとっては初陣となるため「伍」を知らなかった。
※当時の兵士(農民兵であっても)にとっては「伍」は常識であった。
戦場においては歩兵の五人を一組として「伍」と言いその中のリーダーを「伍長」といった。
参軍にあっては「伍」が基本単位であり常に行動を共にする戦場における運命共同体である。
強そうな者から「伍」への誘いがかかるが、子供の信を誘う伍はなかなか現れず結局信は売れ残り組になってしまっていた。売れ残りになった信の参加する伍は、信と尾兄弟の二人それに信よりも小さく額に柄の付いた布を巻いた子供。頼りない中年の伍長の五人組であった。
第50話 魏国軍
行軍の夜、新しく「伍」の仲間となった五人は天幕の中で自己紹介していた。
信の伍の伍長は名を府楼(ふろう)村の澤圭(たくけい)、それに城戸(じょうと)村の尾平と尾到、同じく城戸村の信。信よりも小さく額に柄の付いた布を巻いた子供は無愛想に羌瘣(きょうかい)と名乗った。
翌朝、魏国へ向かう他の隊の行軍を目の当たりにし、伍長・澤圭から魏国へ向かう秦国軍は全部で6軍あることを教えられた。
行軍する歩兵の数の多さに「こんだけの人数が殺し合いをしたらどんな光景になるのかなって・・・」と尾兄弟は弱気な様子を見せるが、信と羌瘣は動じない。むしろ信は農民兵の行軍の中で無邪気にはしゃいでいた。
魏国への行軍中
信たちのいる第4軍は一旦、秦国・丸城(がんじょう)に入ることになった。
魏国・滎陽(けいよう)を攻める際の軍の整備のためであるが、丸城の城主・黒剛(こくごう)は"星眼の黒龍"と呼ばれる猛将である。特にこの戦のために将軍に任命されたばかりで、過酷な戦いをするのではと伍長・澤圭は警戒している。
伍長・澤圭とその他メンバーは心配な表情を浮かべるが、信だけは俄然やる気に満ち溢れ一人で張り切っている。
その頃、秦国・丸城では
魏軍の手によって秦国旗が倒され、魏の旗が掲げられていたのであった。
第51話 再会
秦国・丸城へ向かう農民兵の行軍に火急を告げる赤伝者が騎馬で駆けつけた。
赤伝者によって全伍長が集められた。
信たちの伍の伍長・澤圭によると、丸城はすでに陥落し、黒剛将軍は討ち死に城内にいた秦国民は老人から女子供にいたるまで皆殺しにされたというのだ。
丸城は魏国の呉慶(ごけい)将軍の手によって落ちたのだ。
丸城が敵に落とされたため、信たち第4軍は第1・2軍と合流して本軍として正面から滎陽攻めに参加することになった。
戦場が近づくにつれて、農民兵たちが殺気立ってくる。
過度な緊張感が兵士たちの神経をヒリ付かせるのだろう。
他の伍が信たちの伍に喧嘩をふっかけてくる。
その時、千人将の騎馬隊が農民兵の行軍の中を通過する。
信は千人将の騎馬隊の登場に他の伍との喧嘩を忘れはしゃいでいる。
伍長・澤圭に整列を乱さないよう注意されてしまった。なんでも前回、整列中にふらついたと言う理由だけで両断され同じ伍の仲間も連座してさらし首にされたというのだ。
千人将の騎馬隊が信たちの前まで来た。
信はあろうことか、整列から離れ一人千人将の騎馬の前に立ちふさがったのだ。
千人将が騎馬隊に号令をかけた。「止まれェ!!」
周りで見ていた農民兵たちは信の首が跳ねられるのを今か今かと嬉々としている。
信が千人将に親しげに声をかけた。
千人将は秦王・政の腹心・昌分君配下の"壁"であった。
第52話 蛇甘平原
千人将・壁の天幕に呼ばれた信。
天幕の周りでは農民兵たちが信が何者なのか噂している。
秦王・政に対する王弟の反乱を鎮めた際に共闘した信と壁
二人は反乱のその後について話をしていた。
壁の話では、呂氏へ対抗するための抵抗勢力を残す措置として反乱そのものが無かったことにされたそうだ。
なお、今回の戦の第4歩兵軍は三万人。壁が信の直属の将になるかは亜水での軍編成によって決まるようだ。
亜水での作戦会議参加のため、壁は信と別れ騎馬隊を率いて先を急いだ。
魏国・滎陽城では
秦国・丸城を落とした魏国将軍が魏国・滎陽に入城。
滎陽城の守備兵・全軍を率いていた。
秦国・亜水城では
秦将が集い滎陽攻めの作戦会議が開かれており、壁も参加していた。
そこに急報が届いた。「魏軍が滎陽を討って出た。その数15万。率いるは呉慶(ごけい)。敵は亜水を目指している。」守る側である魏国軍が逆に秦国・亜水城攻めに討って出たとの急報に秦将たちはうろたえる。
秦国・総大将・麃公(ひょうこう)が口を開く
敵は魏軍主力の"戦車隊"が活きる平地戦に持ち込みたいだけだ。と言うのだ
また、滎陽と亜水の中間の"蛇甘平原(だかんへいげん)"を決戦の地とし、丘に布陣するように指示が出る。
信のいる第4歩兵軍も駆け足を強要される。
先を急ぐこと5日
信たちの伍はいつの間にか第4歩兵軍の先頭集団を走っていた。
信が何かの気配を感じさらに走る速度を上げ、ついに軍の先導車を追い抜いてしまうが構わず走る。
夢中で走りながら、信はムタともランカイとも違う空気の熱さ・重さを直感して先を急ぐ。
高台の上にたどり着いた時、信は初めて軍対軍の壮絶な戦いを目の当たりにした。
キングダム5巻の主な登場人物
キングダム5巻の見どころ
実写版・映画「キングダム」で描かれているキングダムの世界は1巻1話~5巻46話までです。
実写版の映画では、ところどころ漫画で描かれている描写が抜け落ちていますが漫画が映画化される際には良くある話。且つ描写が抜け落ちている箇所はそれほど重要なエピソードではないなのであまり気にする必要はありません。むしろファンにとっては、それよりも実写版のクオリティーの高さに目を見張るものがあり映画のとてもすばらしい仕上がりに満足すること間違いなしです。
5巻の見どころとしては何と言っても、秦王・政が王弟の反乱を鎮める場面全てです。胸アツの展開が多すぎて見どころを決められないと言うところが本音ですが敢えて取り上げるなら、秦王・政と王騎将軍との問答の応酬も見ごたえがあります。また、信がボロ家をあてがわれて笑みをこぼす場面も漫画を読んでいるこちらが嬉しくなってしまう場面でとても良いですよね。
なお、キングダム5巻ではキングダム単行本初の番外編が収録されています。
番外編 黒卑村回想
キングダムを全話イッキ読みするならU-NEXTが断然オススメ
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