KINGDOM-キングダム【12巻】に関するあらすじや登場人物のまとめの他に、『すでにもう見た事がある方』も『これから見たい』という方にも、キングダムの魅力とキングダムを何倍も楽しむ方法を見どころとネタバレも含めてご紹介します。
あらすじ
秦の大王・政は中華統一を叶えるため、隣国・韓に攻め入った。
このタイミングに長平の戦いで大虐殺された秦に恨みを持つ趙が攻めてきた!
馬陽(ばよう)に向けて兵を興した秦の大将は王騎が務める。
かつての六将最後の一人、王騎将軍は大将としてどう戦うのか。
王騎将軍に蹴落とされた谷を平定した信の修行の成果は!?
KINGDOM-キングダム【12巻】の収録話(ネタバレ注意)
第119話 先鋒隊動く
河了貂は軍師学校の仲間である蒙毅(もうき)等と共に、秦と趙の戦の模様を高台の上から見守っている。
趙国軍の攻撃の要になるのは、左軍の副将・万極(まんごく)、渉孟(しょうもう)と副将・
公孫龍(こうそんりゅう)の率いる全6万の軍だ。
各将がそれぞれ2万の兵を率いていて、秦国軍の右わきを突こうと狙っている。
それに対して、秦国軍の主攻は副将・蒙武の率いる蒙武軍2万と第1軍の2万の計4万を有する中央軍。
副将・蒙武は蒙毅の父親だが、この親子は全くと言って良いほど似ていない
趙の中央軍・千人将の剛乱(ごうらん)は趙将・李白(りはく)に対して、『自身の率いる重装騎兵に最前線を任せてほしい』と進言している。
蒙武の率いる騎馬隊に対し、重装騎兵の長所である”衝撃力”で対抗するつもりである。
秦の先鋒隊・蒙武が突撃の合図を出した。
両軍共に突っ込んだが、蒙武自ら先頭に立つ騎馬隊の武力が趙軍に炸裂する!
蒙武とその配下の騎馬隊が趙軍の先鋒隊を蹴散らした。
しかし、趙の先鋒隊である左軍・渉孟(しょうもう)も蒙武(もうぶ)に負けない武力で秦軍に襲い掛かる。その時、秦の大将である王騎将軍は本軍を離れ駆けて行く。
第120話 任務
蒙武軍の勢いは止まらず、趙軍・李白が守備陣を敷く。
高台の上から戦況を見守っている河了貂・蒙毅たちからは戦場の様子が手に取るように見えていた。
李白の敷いた守備陣は『片側からのみの弓の射撃』と『歩兵の斜陣』によって、蒙武軍の騎馬隊の勢いを斜めにいなしている。
この守備陣によって、蒙武軍の勢いが弱まっていくのだ。
趙軍には”守備の李白”、”破壊の渉孟”、”特攻の万極”、”万能の公孫龍”、そして”頭脳の馮忌(ふうき)”
この厄介な五将が控えている。
秦左軍 第4軍
突然、千人将・壁の前に本陣にいるはずの王騎将軍が現れた!
王騎は、「秦軍の主攻は中央軍ではなく、ここ左軍ですよ」という。
秦左軍の兵士達は王騎将軍の突然の登場に、急激に士気を高めている。
王騎が告げた「まずは駒を減らすことです」
これに対し、秦の第4軍・軍長の千央(かんおう)が「死闘は最も得意とするところです」と答え左軍が突撃を開始した。
次に、秦の大将・王騎は特殊百人隊・信たちの元へ駆けつけた。
農民歩兵たちは皆、大将・王騎の圧倒的な存在感に呼吸が苦しくなる。
大将・王騎が信の率いる百人隊に任務を授けた。
任務の内容は、『趙軍の馮忌将軍は戦局の分析に長けた厄介な武将だ。2万の兵を率いている趙軍・馮忌将軍を百人隊で撃破しろ』と言うのだ。
農民歩兵達は皆、大将・王騎から授けられた当然の任務に唖然とする。
第121話 潜行
『2万の軍に対し、百人で特攻をかけろて敵の馮忌将軍を撃破しろ』という王騎将軍の任務。
到底無謀に思える任務に百人隊の副官・渕さんは『不可能だ』として、反対する。
しかし、百人隊隊長の信は『豆つぶには豆つぶなりのつよさがある』と王騎将軍の任務を引き受けた。
信は修行の成果で小隊の特性を活かす術を心得え成長していたのだ。
信の成長を見てとった王騎は褒美として『飛信隊』の名を信の百人隊に与えた。
加えて王騎は『万が一にも失敗は許しません。頼みましたよ百将信』と言い、信の前から去った。
高台の上から戦況を見守っていた河了貂が茂みの陰に隠れて進む信たち『飛信隊』の姿を見つけた。
飛信隊の戦略は、正面の秦軍に完全に注意を奪われている趙右軍2万に対して側面から突入し、一気に敵の本陣まで迫る作戦だ。
万の軍に対して、あまりにも少ない百人隊という人数の少なさを利用し、茂みの陰に隠れた状態で移動すれば気づかれずに敵の側面まで迫ることができるというのだ。
王騎は本陣に戻り、戦況を確認していた。
右軍は趙将・渉孟の猛撃に押し込まれている。
中央の蒙武軍は李白の固い守備陣の前に勢いを失ったままの状態。
千央が率いる左軍は善戦している。
善戦していると思われている左軍は趙将・馮忌将軍の誘い込みにまんまとハマっている可能性がある。
その頃、飛信隊が趙右軍の真横に到着していた。
第122話 特攻
趙右軍を率いている馮忌将軍の罠にまんまとハマった秦・左軍は勢いに乗ってぐんぐんと斬り進む。
馮忌将軍が陣形を変えるように指示を出した。
秦・左軍にいる壁は敵の陣形の変化に違和感を覚え進軍を止めようとするが、勢いに乗った歩兵達は壁の命令を聞こうとしない。
制御不能になった秦・左軍はそのまま敵の罠に飛び込んでしまった。
前線にいた秦・左軍の歩兵達が敵の罠の前にあっという間に壊滅状態になってしまった。
さらに頭上に矢の雨が降り注ぐ。
側面から状況を見ていた飛信隊も敵の罠によって一気に形勢が逆転した光景に士気を下げてしまう。
信が飛信隊を集め、縦長の隊形を組む。
敵軍の突入に備えて、隊形の先頭には中鉄(ちゅうてつ)、山和(さんか)、田有(でんゆう)、竜川(りゅうせん)の怪力たちを布陣させた。
しかし、竜川の様子がおかしい。
松左(しょうさ)曰く、『竜川には先月第一子が生まれたばかりだ』と言うのだ。
この言葉に飛信隊の皆の雰囲気が悪くなる。
「話を戻すぞ」
信が口を開いた。
「俺らが失敗したら目の前でやられている左軍のやつらも全員死ぬ。お前らの帰りを待っている村の人間も全員死ぬんだ!」
信のこの言葉に士気を落としていたメンバーの顔つきが変わった。
縦長の隊形で飛信隊が敵の側面に突っこむ!さすがに敵に気づかれたが、構わずに突っ込む。
重歩兵が盾を構えて防陣で迎え撃つ。
突然、先頭を走る竜川がダッシュした!
第123話 左軍混乱
敵の防陣に対して、一人突っ込む竜川
盾の隙間から無数の槍が先頭を走る竜川を狙っている。
しかし竜川の『会心の一撃』で敵の防陣がはじけ飛び、飛信隊が2万の敵の中に突入した。
馮忌将軍の罠にまんまとハマった秦・左軍は無数に降り注ぐ矢の雨に苦戦していた。
士気を落とし、戦意の無くなった兵士に声をかける壁ののど元に矢が穿たれた!
飛信隊は2万の敵に囲まれて苦戦しているが、先頭を入れ替えて隊の進軍を加速させる。
高台から見守っている軍師学校の河了貂たちは飛信隊の横激(おうげき)の意図や趙軍の戦法に思慮を巡らせていた。
包囲を固めつつ、後方を意図的に空ける趙軍は、無数に降り注ぐ矢の攻撃に堪らず空いている後ろに逃げた秦軍を後ろから掃討する戦略なのだ。
趙軍の戦略通り、意図的に空けられた後ろに逃げ場を見つけた秦兵たちは後退を始める。
しかし、敵の策略を見抜いた壁が秦兵に対して叫ぶ『敵の罠だ!さがっても皆殺しにあうぞ』
『活路はまえだ』
第124話 虚を突く
後ろに逃げようとする兵士たちに血だらけの壁千人将が声をかける。
『退がるな!!後ろは敵の罠だ!活路は前だ』
前にいる趙軍のところまで行けば矢は届かなくなる。
防陣を敷いている重装歩兵を相手に戦うことで活路を見出すよう声を上げ、後退しようとしていた兵士たちの士気を高めようとしていた。
そんな壁のすぐ横を前方の趙軍に目がけ、千央軍長が騎馬で走り抜ける!
壁隊が千央軍長の後に続いた。「壁隊 前進!軍長に続け!」
この時、趙将・馮忌は「いかに無駄なく、いかに効率よく目の前の敵を討つか」を模索するのに夢中だった。故に、横から迫る飛信隊の存在に気づいていなかった。
飛信隊は趙の本陣の旗が見えるところまで迫っており、本陣到達までは”あと半分”というところ。
敵の『虚を突く』戦法を心得ている百人隊の若将・信と副将の渕さんの作戦が功を奏した形になっていた。
さすがに”趙右軍の本陣まで半分”というところまで進むと、趙軍・本陣に秦の百人隊が迫っていることが知らされた。
しかし、たかが百人が迫ったところで万の兵士を率いる趙将・馮忌は余裕を崩さない。
飛信隊の”奇襲により敵の虚を突く作戦”も敵にその存在が知られるとその効力は無くなる。
『敵の包囲を抜けた』と思ったが、趙軍に囲まれていたのだ。
隊長・信と羌瘣を筆頭に多勢の趙軍に戦いを挑む!
第125話 距離
伍の力では趙の兵士には太刀打ちできない。
伍をさらに連携させた集の集団戦法で趙軍に対応する飛信隊の農民兵たち。
趙軍の親衛隊は「百人如きにここまで迫られただけでも他軍の笑いものだ」として飛信隊を殲滅しようと士気を高めている。
趙軍の親衛隊は強い。
しかし、信が敵を討つたびに飛信隊の隊員たちは力が湧くのを感じていた。
信の存在が飛信隊の精神的支柱になっていて、乱戦の中で再び士気を高めている。
だが、『このまま趙軍の親衛隊と戦っていても百人では限界がある』と感じた副将・渕さんが信に提案する。
その頃、趙左軍の公孫龍の本陣では
趙の副将・公孫龍が戦況の報告を受けていた。
「渉孟軍は依然として攻勢」、「万極軍も前進中」、「中央の李白軍に変化はない。」
公孫龍が馮忌軍に横撃した百人隊の存在を気にしている。
軍略化の趙壮と馮忌の間合いは戦場全体をカバーできるほどの広範囲に及ぶが、逆に『近距離での戦いは馮忌の間合いから外れている』というのだ。
馮忌の視界に一瞬、秦の千央軍長の姿が捕えられたが趙軍騎兵に囲まれすぐにその姿が群集に消えて行った。また、横撃した小隊の数はすでに半分だと報告を受けたそのとき、飛信隊が馮忌の本陣前に現れた!
第126話 精鋭部隊
趙の本陣の兵達は、飛信隊が親衛隊の包囲を抜けてきたことに驚いている。
飛信隊は百人隊をさらに半分に分け、隊の半分を親衛隊の中に残して包囲を抜けたのだ。
信は、渕さんの無謀な提案に反対した。
しかし、副将・渕さんと伍長・澤さんの説得によって、隊を半分に分断する作戦を受け入れる決意を固めたのだ。
信はまだ元気のある伍長に声をかけて周った。
親衛隊の隊長を討ち取った羌瘣にも当然、声をかける。
信は「絶対に後で会うぞ!馮忌の顔を拝ませてやる」とその場に残る副将・渕さんに告げ趙軍・本陣を目指した。
趙軍本陣の数は三百。対する飛信隊は三十だ。
趙軍本陣に飛信隊が突撃した!
第127話 上手
騎馬している信に目がけて敵が突っこんできた。
敵の一撃を何とか受け止めた信だが、態勢を崩してしまう。
しかし、信の後ろにいた羌瘣が信を押しのけて敵を討った!
次々と騎馬した信と羌瘣を目がけて趙の騎馬隊が襲い掛かってくるが、飛信隊がそれを阻止する。
騎馬主体の馮忌隊は敵に懐深くまで攻められると足が止まり、騎馬の威力を十分に発揮できない。
飛信隊が趙・本陣の旗のすぐそこまで迫ってきた。
ついに趙本陣の包囲を抜けた!
しかし、飛信隊は再び騎馬隊をメインとする趙の本陣に距離を取られてしまったのである。
十分な距離を確保された飛信隊は一気にピンチとなった。
歩兵が主体の飛信隊は騎馬隊に突撃されれば、ひとたまりもない。
万事休すと思われた時
馮忌の本陣に目がけて無数の槍が飛んできた!
第128話 百等分
飛信隊の窮地の場面で突然、趙軍・馮忌の本陣正面に現れた秦将・千央軍。
千央軍は徐々にその数を増やしていく。
秦の左軍・千央軍が趙の正面を突破してきたのだ。
秦の左軍・千央軍に対して側面から趙軍が攻撃を仕掛けるが、千央は物ともしない。
さらに千人の歩兵を千央軍に対し進行してきたが、これに対しては壁隊の二百が立ちはだかった!
乱戦にもちこんだ千央軍と壁軍
尾兄弟の弟、尾到(びとう)が信に声をかける。
「将軍が言った通りになったぞ信。敵が左軍と戦っているどさくさに紛れて将を討てと」
「今がそのときだ!」
尾到の言葉に信は叫んだ
「手柄はもらうが恩賞は山分けにする」
信が敵将を目がけて駆け出した
趙の本陣と戦っている千央軍はもう少しで趙将・馮忌にたどり着けるところまで来ているが、趙兵が奥に進むにつれて強くなる。
信もあと一歩というところだが、趙本陣の守りに囲まれている趙将・馮忌にたどり着けない。
奮闘する信が馮忌の姿を一瞬捉えた!
第129話 飛矢
趙将・馮忌は考えていた。
『俺の戦術に誤りはない』ただ、わずかに生じた誤差と運が秦軍に味方したこともあってこの状況になっている。しかし、腑に落ちない様子の馮忌は自分の戦術に誤りがあったのかと反芻(はんすう)している。
趙の本陣は守りが硬く秦の兵士たちはいら立っている。
わずかに敵将を視界に捉えている信は敵のスキを探っていた。
この状況を作ったのは趙・本陣としぶとく戦っている秦の左軍・千央ではない。
横撃した小隊・飛信隊だ。飛信隊によって、趙の本陣は崩された。
秦左軍を壊滅するために馮忌は両翼を上げたのだ、そこに飛信隊が偶然入ってきたから趙の本陣は崩された。馮忌は両翼を上げたのではなく『上げさせられた』つまり、第一手ですでに王騎の術中にハマっていたことを察した。
王騎将軍はほくそ笑んでいた
突然、馮忌が退却の号令を下した!
茂みの中を目指す趙国・馮忌軍
「俺を取り逃がせば、貴様は左軍を壊滅させてしまった大馬鹿者だ!」
しかし、馮忌軍が目指した茂みの中には、秦の旗が無数に立っている!
馮忌はすぐに秦の旗が偽物であると見抜いたが、馮忌軍の足は一瞬乱されて止まってしまったのだ。
馮忌のそばにたどり着いた千央が語りかける。
「これまでだ馮忌。我が主の前で策をひけらかすのは十年早かったな」
馮忌が答えた「ほざけ!策に溺れたのは貴様らのほうだ!残兵を皆殺しにして完全に葬ってくれる!」
馮忌が叫んだ「その男を殺せェ!」
「殿の飛矢が届くぞ」
その時、宙高く飛んだ信が馮忌を斬り付けた!
「ドリャアアアアアア!!」
斬られた馮忌が落馬すると辺りは歓声に包まれる「オオオオオオオオオォォォ・・・!」
飛信隊の尾兄弟、田有、中鉄たちも一緒に叫んでいる。
■キングダム12巻の主な登場人物
キングダム12巻の見どころ
百人将になった信の隊に与えられた『飛信隊』の”数の少なさ”を逆に”利点”として奇襲する戦い方に注目です。
数万の敵に対してわずか百人の飛信隊がどのように奇襲をかけるのかその戦い方に胸が熱くなりますよね。
また、窮地では百人をさらに半分に分割し、大将である信に敵の包囲を逃れて敵将を討ちに向かわせ逆に自分はその場に残るという決断を下した副将・渕さんの勇気には感服します。
無法地帯を平定した信と副将・渕さんの成長ぶりが見られる12巻は何度読んでも飽きません。
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